大阪・堺で明治7年から歩む日本絨氈(正式名称:日本絨氈株式会社)は、カーペット一筋で150年以上の歴史を重ねてきました。
ただし社名を検索すると匿名の書き込みが並び、残業や設備に関する指摘に不安を覚える方も少なくありません。
そこで本記事では、理念に基づく社会貢献の実態と、評判と現場の実情との差を、公式情報と取材内容から解説します。
日本絨氈とは?明治7年創業の会社概要と国内一貫生産体制
評判を判断するためには、まず会社の全体像を正しく押さえる必要があります。
どれくらいの歴史があり、どの分野でどの程度のシェアを持つのかがわかると、働きやすさや将来性を客観的に測れます。
ここでは、創業から現在に至る基本情報と、同社の強みである生産体制を整理してお伝えします。
150年以上続くメーカーがどのような体制でものづくりを続けてきたのかを見ていきましょう。
タイルカーペット国内2位・人工芝国内1位を支える一貫生産体制

【会社概要】
・会社名:日本絨氈株式会社(JAPAN CARPET CO.,LTD)
・本社所在地:大阪府堺市西区築港浜寺西町8番12
・創業:明治7年(1874年)
・資本金:9,360万円
・拠点:本社工場、滋賀工場、東京支店
明治7年に初代・村田繁蔵が泉州綿布業を創業し、後に池﨑繁雄氏が法人を設立しました。
生産が困難とされるロング人工芝は日本1位のシェア、タイルカーペットの生産量は日本2位です。
製品は世界10か国以上で選ばれます。
強さの源は、糸づくりから加工、出荷までを自社で完結させる一貫生産体制にあります。
取材では、1981年に「織り」から「タフト」分野へ舵を切った転換が今の主力を生んだと語られました。
「幸せを敷き詰めよう」の企業理念と事業の社会性・SDGsへの取り組み
長く続く企業には、事業を通じて社会に何を届けるのかという明確な軸があります。
同社は「幸せを敷き詰めよう」という企業理念を掲げ、製品づくりと社会貢献を同じ線の上に置き続けてきました。
ここでは3つの理念の中身と、それが地域や環境への具体的な行動としてどう形になったのかを解説します。
言葉と実践が一致しているかどうかは、企業を見極める大きな材料になります。
企業理念・経営理念・行動理念に込められたプラス志向
企業理念は「幸せを敷き詰めよう!」で、カーペットを通じて暮らしを豊かにする願いが込められています。
経営理念は「意志と愛にあふれるプラス志向の実践」で、お客様、宇宙、笑顔、ピンチ、繁栄という5つのプラスを示しました。
創業者は建物も住まいも失った戦後の日本にカーペットを敷き詰め、豊かな生活を届けたい一心で会社を創業しました。
会長メッセージにも「モノづくりは人づくり」という一節があり、製品と人材を切り離さない考え方が表れています。
小学校への寄贈と20項目のマテリアリティが示す社会性
理念が言葉だけで終わっていない証拠が、学校へのタイルカーペット寄贈です。
堺市立新湊小学校では企業理念や製造工程をクイズ形式で説明し、施工も子どもたちと一緒に進めました。
先生が企業理念を問いかけると、子どもたちが「幸せを敷き詰めよう!」とすぐに答えたそうです。
SDGsへの取り組みでは、5グループ20項目のマテリアリティを特定しています。
一橋大学大学院の名和高司教授も、最重要エリアに「働きがいのある職場環境の整備」が置かれた点を評価しました。
環境面では、廃棄漁網を再利用した糸「エコニール」の活用や、滋賀工場での太陽光電力の自社消費によるCO2排出量の年間66トン削減といった実績もあります。
日本絨氈の評判・口コミを検証!ネット上の指摘と現在の実態
転職や就職を考える際、匿名の口コミサイトを確認する方は多いはずです。
ただし投稿には数年前のものも含まれており、現在の職場環境とずれている場合があります。
ここではネット上で見かける主な指摘を3つに整理し、公式情報と取材内容をもとに実態を検証します。
指摘そのものを否定せず、会社が何をどう変えてきたのかを順に確認していきましょう。
数字の変化を追うと、見え方も変わってきます。
設備投資による業務効率化と、働きやすさを追求する労働環境の改善
働き方改革に積極的に取り組む同社では、設備投資による機械化を進めることで業務効率を大幅に向上させています。
取材に応じた現場の主任からは、「残業代が100%支給されるのはもちろん、事前にスケジュールが分かるためオンオフのメリハリがつけやすい」と、計画的に働ける環境を評価する声が聞かれました。
最先端の工場設備と、社員の生活を豊かにする充実の手当・待遇
2017年に操業した滋賀工場は、会長メッセージで世界最先端のハイテク技術を投入した工場として紹介されています。
給与は、募集職種ごとに定める月給に、住宅・健康・家族・資格などの手当を組み合わせる設計です。
改善を評価するソリューション手当は2026年時点で月40,000円で、基本給だけを切り出すと実態から離れます。
社員食堂は1回280円で利用でき、取材によると物価が上がっても会社が差額を負担して据え置いてきました。
ライフステージに応じた柔軟な働き方と、誠実な情報公開の姿勢
同社は、求職者に対して非常に誠実でオープンな情報開示を行っています。
採用ページの「よくあるご質問」では、女性社員の比率(約1割)を明記したうえで、育児休暇から復帰して活躍する社員やライフスタイルに合わせて短時間勤務を選ぶ社員の実例を具体的に紹介しており、多様な働き方をサポートする環境が整っています。
また、年間休日(2026年12月時点で115日)や月1〜3回の土曜出勤、繁忙期の休日出勤の可能性に至るまで、入社後のミスマッチを防ぐためにありのままの情報を公開しています。
この透明性の高さこそが、長く安心して働ける企業としての信頼につながっています。
社員が実感する働きがいと職場のリアル
制度や数字を並べるだけでは、実際の働きがいまで見えてきません。
同社で働く社員は、どのような瞬間に手応えを感じ、どんな空気のなかで日々の仕事に向き合っているのでしょうか。
ここでは取材で聞かせていただいた声をもとに、現場のリアルな実感をお伝えします。
未経験で入社した社員がどのように育っていくのか、周囲がどう支えているのかについても具体的に触れていきます。
自分が手がけた製品を見る瞬間と未経験を支える職場

デザイナーを務める社員は、自分が担当したカーペットが実際のオフィスに敷かれている様子を初めて見学しました。
柄の癖を調整したカーペットが綺麗に敷き込まれており、大きなやりがいを感じたそうです。
タフト担当の主任は、生産を担当した人工芝が敷かれた野球場をテレビで見て、「自分がやったところかもしれない」と感じ、仕事の面白さを実感したと語りました。
製造職はほとんどの社員が未経験入社で、新入社員には教育係が一人付き、機械を動かせるようになるまで一緒に作業するお世話役体制が整ってきました。
社内には「ありがとう」を伝える掲示板もあり、感謝を言葉にする習慣が根づいています。
150年以上の伝統技術を受け継ぐ人材育成と今後のビジョン
150年以上の歴史を持つ企業にとって、技術をどう次の世代へ渡すかは経営の核心です。
同社は教育制度と評価の仕組みを整えながら、新しい市場への挑戦も同時に進めてきました。
ここでは人材育成の中身と、今後の成長可能性について解説します。
伝統を守るだけの会社ではなく、新しい柱を育てている点が将来性を判断する材料になります。
長く働ける環境かどうかを見極める視点でお読みください。
多能工制度と資格取得支援による人材育成

技術の承継はOJT教育制度と多能工制度で進められています。
取材によると、さまざまな機械を覚えて知識を広げ、仕事を通じた「人間力」の成長につなげてほしいという想いがあるとのことです。
背景には「社員教育は社員に対する最大の福祉である」という考え方があります。
資格取得の支援では、受講費用と受験費用が全額会社負担で、取得時には報奨金最大50,000円が支給される仕組みです。
評価面では全社員が半期ごとに目標管理を作成し、上司との面談を通じてキャリアプランを一緒に考えます。
BtoCブランド「joiterior」への挑戦とファーストコールカンパニー構想
OEMを主体としてきた同社は、一般消費者へ直接向かう事業にも踏み出しました。
2025年6月、オンラインショップをリニューアルし、『joiterior(ジョイテリア)』としてオープンしています。
取材では、「共にライフスタイルを支えるファーストコールカンパニー」という10年ビジョンも語られました。
インフラのように、困った時に真っ先に思い出してもらえる企業を目指しているそうです。
まとめ
社会貢献度の高い企業を発掘する視点から深掘りした結果、日本絨氈は理念と実践が一致した優良企業でした。
企業理念は掲示物で終わらず、学校への継続的な寄贈やSDGsの取り組みとして形になっています。
ものづくりを通じて誰かの暮らしを支えたいと考える方は、ぜひ公式サイトの採用情報を確認してみてください。












