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教育現場。企業でも今注目されている「NIB」とは?

人材育成に有効な手法として「NIB」への注目度が高まっています。ビジネスの現場で、さらに大学などの教育現場でも「NIB」を活用した人材育成が行われています。今注目されている「NIB」についてご紹介しましょう。

 

そもそも「NIB」とは?

NIB(=Newspaper in Business)とは、新聞を活用した人材教育・人材育成を指します。新聞というメディアを教育に取り入れることで、情報化社会で活躍できる人材を育成するという取り組みがNIBです。

全国各地の新聞社が独自の手法でNIBを展開しており、学校や企業、病院など様々な団体がNIBを活用した人材育成を行っています。社会の動きにもっと目を向けてほしい、若手社員に営業先で雑談をできるトーク力を身に付けてほしい、スマホ以外の様々な話題で社内の会話を活性化させたいなど、企業経営者や教育担当者の願いに応える形でNIBの取り組みが活性化しています。

特に、スマホばかりに頼る若年層は、ネット情報に振り回されて確かな情報に対する意識が低くなっていることが懸念されています。そんな中、確かな情報を伝える新聞を教材としたスキルアップに注目が集まっているのです。NIBの講座では、情報収集力、プレゼン力、時事問題解説、文章作成力、会話力など、これからの社会で必須となる様々なビジネススキルが身に付きます。

 

NIBを実施している新聞社と活用の事例

NIB講座は様々な名称で全国各地の新聞社で開催されています。主な新聞社のNIB講座と基本的な内容や特徴、具体的な事例などをご紹介しましょう。

朝日新聞
朝日新聞では「まなぶ@朝日新聞」という名称で、大学や専門学校などでのNIBの講座を展開しています。社会への関心を広げ、語彙・知識などを増やすことを目的とし、学校ごとに様々な取り組みが行われています。

学校側の相談に応じたオーダーメードの講座、授業を提案し実施している点が特徴です。大正大学では、時事ワークシートを利用して「社会をみる眼」を育てながら、語彙・読解力・表現力を身に付けることを目的としたNIB講座を行っています。

玉川大学では数学の全面改革に新聞を活用し、「高次汎用能力」を鍛えることを目指した講座が展開されています。語彙・読解力検定を実施し、効果の測定も行っています。

星北学園大学では、新聞を持ち歩く学生を育てたいという願いから経済学科の1年生全員に新聞を宅配しています。社会を広く深く見つめていく眼差しを持つ若者を育成することを目指し、NIBを取り入れた検定やワークシートも活用しています。

神奈川工科大学では、「スーパーサイエンス特別専攻」でNIBが導入されています。実践的社会人基礎力を要請するため「天声人語」の書き写しも行っています。

朝日新聞のNIB講座に取り組む専門学校もあります。日本映像翻訳アカデミーでは、新聞社の校閲や編集の仕事が翻訳者に合うこともあり、NIBの検定で広範囲の知識も磨いているようです。ビーマックスでは週に1回、学生全員に朝日新聞を配布して、記事や時事ワークシートで世の中を知って、意見を持つように促しています。

岩手日報社

NIB講座の「新トレ」を展開し、岩手県内の企業・団体、自治体、大学や専門学校などで学生や従業員を対象とした講座を開いています。「新トレ」は、新聞トレーニングと新トレーニングを掛けた名称です。

県内外の情報を網羅した紙面を活用して、学生や従業員のスキル、情報収集能力のアップを図ります。講師陣は本社の記者が務め、要望に応じたプログラムで人材育成のサポートを行います。

新聞を教材とした講座は各種用意があり、効率的な新聞の読み方による情報収集力の向上、新聞を使った会話力向上、記事を参考にした文章の書き方、新聞スクラップの方法を活かしたプレゼン力向上、時事問題や地域経済の解説などの講座が中心です。

岩手日報社の「新トレ」講座は、盛岡友愛病院の若手人材の育成にも活用されています。新聞を活用した講座で、新しい発見や発想の転換を楽しみながら、リハビリ職員が熱心に取り組んで講座で学んだことを仕事に活かしています。

北日本新聞社

北日本新聞社では、ビジネスに効く情報源としてNIBを位置付け、県民の暮らしに密着した情報を提供する立場からのNIB講座を目指しています。自社のWebサイトでは、ビジネスのアイデアやヒントを求めるための新聞の読み方、ビジネス文書に活かせる記事の書き方などを伝授しています。企業や団体を対象としたNIBの出前講座も行っており、情報力アップ術、文章力アップ術などを中心とした教育、研修をサポートしています。

講師陣は北日本新聞社の専門担当社員が務め、講座は1回60~90分です。開催費用は無料となっています。

魚津市役所では、若手職員を対象としたNIB講座が行われました。仕事に役立つ新聞活用法として、情報力や文章力アップに関する内容で実施され、採用2年目までの約20人が参加しています。

新聞の読み方として、記事は3回読むこと、一日の始まりに新聞をめくる「朝パラ」のすすめなど、情報やアイデア収集のヒントとなる講座内容となっています。ビジネス文書の書き方としては、大事なことから先に書く「逆三角形」のスタイル、考えをまとめるための「見出し付け」など、新聞記事の書き方の特徴をふまえた文書作成の秘訣が伝習されます。

中国新聞

春コースは新入・若手社員を対象に、秋コースは新入・若手社員に加えて内定者も対象にしてNIB本講座とフォローアップ研修、交流会が開催されています。社会人の基礎力アップ講座ではチームで働く力を、朝の3分で世界と日本・広島が分かる講座では新聞を読み解く力を、中国経済面の活用術講座では新聞をビジネスに活かす力を養います。

その他、雑談力はビジネスの基本、文章力で差がつく仕事術などの講座で、コミュニケーション力や論理的思考・表現などを身に付けます。

 

経営トップが注目する人材とNIB

多くの企業でNIBを活用した人材育成が行われています。NIBでの人材育成に力を入れている企業の経営トップは、これからの時代の社員にどのような力を求めているのでしょうか。また、NIBの取り組みを通じで何を実現できるかも見ていきましょう。

アサヒグループホールディングス

アサヒグループホールディングスの代表取締役会長である泉谷直木氏は、次を予測する力を持つ人、若々しい感性や積極的な好奇心、高い志を持つ人がデキる社員であり、これからの会社に必要な人材だと語っています。考えながら実践するためには、知識と情報が必要です。そのため、社内研修では新聞の「三点読み」を実践し、漫然と読むのではなく考えながら読むトレーニングを行っています。

岩田製作所

岐阜県関市に本社を置く産業用機械部品メーカーである岩田製作所の代表取締役、岩田修造氏は仕事の基本は「人間力」であると語っています。そして同時に、会社にとって最も大切な存在である社員が人間として成長できることを望んでいます。そのために、新聞を読み対話をして人生を振り返ることができるよう、私用スマホを使わない社員に毎月5,000円を支給する取り組みなどを行っています。

30歳以下の社員を対象に、新聞手当も創設し、新聞を読んで月に1回記事の感想を提出した社員に月に2,000円を支給しています。取り組みの結果、社員の会話が増え4期連続での増収増益も実現しています。

激動の時代といわれる現代社会では、時代や環境はめまぐるしい変化を続けています。大きな変化に対応できる企業であり続けるためには、経営者だけの力で十分とはいえません。優秀な従業員、活力ある組織があってこそ、激動の時代を乗り切っていけるのです。企業・団体にとって、優秀な人材の確保、人材の効果的な育成はますます重要な課題となります。

NIBを活用した人材育成により、個々の従業員の能力を高める取り組みが多くの企業・団体で注目される理由はここにあります。人材育成に悩む経営者、教育担当者は、ぜひNIB講座の導入を検討してみてください。

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