具合が悪い時に行く病院は、医師や看護師の的確な判断によって辛い症状の緩和や悩みを解決に導いてくれますが、患者の中には我慢の限界に達するまで病院を受診しない人もいるでしょう。患者の立場になれば、医師の対応や受診科など様々な条件で病院を選んでいますが、看護師からすれば「何でこんな病院を受診するのだろう」と思うこともあるようです。患者側では分からない病院の真実や、病院で働くブラック・ホワイトな真実を追求してみましょう。
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患者側は知らない?病院の過酷な真実
病院で働く看護師がどのような苦労を抱えているのか、患者側からは理解できない部分も多いでしょう。看護師を悩ませている病院の過酷な真実を、現役看護師の意見を元にまとめてみました。
多額の資金を惜しみなく使う研究開発
多くの看護師からの意見として、病院の経営陣と現場で働く看護師との間で温度差が激しいと言われています。特に病院の経営を行っている上層部は、医療現場の状態を知らないまま意思決定権を持ち、積極的に介入したがる傾向にあるようです。また経営に関わっている人の多くは、経営に関しての知識が優れているものの医療現場に関しての知識が少ないことも、温度差の原因になっていると言われています。
過酷な勤務
地域や病院の規模によって、医師や看護師に過酷な勤務が問題視されています。本来、病院には患者対看護師の比率は7対1が基準となり、患者7人に対して1人の看護師が配置されるような仕組みです。しかし、実態は7人を上回り14人に1人の病院もあるようです。当然、多くの患者を管理するため忙しさも倍になり、対応にも時間がかかってくるのは明確です。表向きは人手が足りているように感じても、実際に働いてみると看護師不足からくるオーバーワークも関係しています。過酷な勤務を強いられている病院では、中堅の看護師が定着せずに若い看護師が多くなりがちであり、看護師の使い捨ても問題となっています。
看護師に対しての地位や報酬の低さ
診察や手術など専門的な医療以外は、主に看護師との関わりが多くなり、入院などの治療に関しては24時間看護師による看護が行われます。看護師の働きが医療現場をスピーディーに変えているにも関わらず、見合った報酬がなく不満に感じる看護師も多いようです。
清潔を保っていない病院もある
病院では清掃員の姿が見えますが、中には清掃が行き届かずに不衛生な環境の病院もあるようです。病院内では患者が変わるとリネン類は交換しますが、周辺の棚やナースコールボタンなどを必ず消毒しているとは限らない場合もあり、消毒していない部分から細菌やウィルスに感染してしまう可能性もあるそうです。
定時に帰れず、残業代も十分でない
看護師の場合、定時に帰れる方が珍しく残業が日常になりつつあるようです。正規の時間で残業手当を申請すると、上司から冷たい対応を取られる場合も多く、ならば何も言わずにサービス残業するしかないと諦めてしまうようです。また上司によっては、残業申請を行っても能力不足だと言われてしまい、勝手に残業時間を変えられてしまう場合もあります。全ての病院ではありませんが、医療現場で残業に困っている看護師は意外と多いことが分かりました。
希望の日に休みが取れない
慢性的な人員不足に陥っている医療現場では、希望の日に休みが取れないだけでなく、本来取得できる有給休暇に関しても積極的に申請しにくい状態のようです。旅行などの長期休みなんて上司や同僚に言いだしにくく、休みも楽々できないと悩んでいる看護師は多く、希望の日に休めないことが辛く感じることもあるようです。
不規則な勤務で長時間労働
病院によっては日勤のみ、夜勤のみなど限定的な時間勤務の看護師もいますが、中にはシフト制で勤務する看護師もいます。特に3交代などで働く看護師は、夜勤で帰宅した日が休み扱いにされてしまうため、丸1日ゆっくりと休めない場合もあります。勤務表を作る上司によっては、連続夜勤の後に日勤を入れて朝まで働いて翌日は朝から仕事というシフトもあるようです。自分のための時間を作れないだけでなく、寝て1日が過ぎてしまう勤務の当たり前という状況は看護師あるあるなのかも知れません。
病院=ブラックではない!?ホワイトな病院とは?
ブラックな病院の話題をしていると、全ての病院がブラックだと勘違いされてしまうでしょう。しかし病院の中には”ホワイト”と呼ばれるものもあります。看護師から見たホワイトな病院の特徴は以下の通りです。
休みがしっかりともらえる
過酷な病院勤務だからこそ、しっかりとした休養が必要になってきます。疲れた体では効率良く働けないだけでなく、医療ミスのきっかけになるような間違いも起こしかねません。そのため、休みがきちんと取れる病院は院内の勤務体制がきちんと整っていることが分かり、ホワイトな病院であることも多くなります。
離職率が低い
半年や1年間などの長い期間に渡って求人募集している病院は、常に看護師の入れ替わりが激しくて離職率が高いため、ブラックではないかと予想できます。ホワイト病院は離職率が低いため、求人広告にあまり掲載されていないのが特徴です。
離職率が低い理由としては給与と仕事のバランスが良く、独自の制度を取り入れている病院などが目立ちますが、人間関係の良さも離職率を低くしていることに関係しているでしょう。
体制が整っている
看護師の体制としては、患者7人に対して1人の看護師という内容が決められていますが、7対1でも忙しくて看護師の負担もギリギリというのが本音でしょう。しかし、7対1であっても他の看護師がサポートできる体制になっていたり、7対1が維持できるような体制を取っていたりする病院は、看護師や患者のことを考えたホワイト病院となるでしょう。また、体制が整ったことでコミュニケーションも取りやすく、働きやすさも感じやすくなります。
教育体制を充実させている
看護師は、資格を取得したらそのままで良い職業ではなく、日々進歩している医療について知っておく必要があります。新卒に対しての教育体制を整えている病院は多くありますが、キャリアアップに活用できる教育体制を取っている病院は現状少ないです。常に専門的な分野の情報を修得し、後輩の教育や専門的な研究、教員などを援助している病院であれば看護師としてのキャリアアップも可能でしょう。
情報の共有や相談ができる
病院で勤務していると様々な問題が起こります。病院内での問題や情報に関して、毎日カンファレンスなどで共有する時間を作り、問題が起こった場合でもすぐに話し合える体制が整っていると、再発防止に繋がるだけでなく、看護師同士のコミュニケーションにも繋がっていきます。
看護師をケアする環境
看護師は常に誰かをケアする立場にありますが、自分のことは後回しになってしまい、精神状態が厳しいにも関わらず無理してしまう傾向にあります。
看護に一生懸命になる看護師ほど、精神をすり減らしていることも多いようで、気が付いたら不眠になってしまったり、不安に襲われたりすることもあるようです。しかし、ホワイトな病院は看護師のケアを行う体制を整えていることがあり、カウンセラーに看護師の精神的なケアを依頼することもあります。
病院の真実は患者側から見えないことも多く、過酷な現場で働く看護師には見えない苦労も多いことが分かります。予想できる部分もあれば気が付かない部分も多いため、病院で働く看護師は精神的にも肉体的にも元気でなければ難しい職業だと改めて感じました。医療現場そのものの改革が必要ではありますが、お互いが相手の立場になって考えると環境が変わるきっかけにも繋がるのではないでしょうか?